日時 2013年8月2日~3日
山域 ヨーロッパアルプス
メンバー 柳澤 (高)、(悦)
天候 晴
8/2 昨日シャモニーからツェルマットに移動し、今日(2日)はヘルンリヒュッテまで行く予定だ。朝7:00にガイドのヂェヂェーがホテルまで来てくれた。我々の泊まっている隣の4星のホテルで豪華な朝食を振舞う。そうとうゆっくり食事を楽しんだつもりだった、が、それでもツェルマットは狭いので8:30頃にはロープウェー駅に着いた。我々は乗車券を往復買うがガイドは証明書を見せてなにやら話している。もとより意味不明である。ロープウェーは4人乗りでこの時間帯は大分込み合っていた。マッターホルン登山者のみではなくアルプスの絶景や麓の風景を楽しもうとする人々も相当いるのだろう。むしろその方々のほうが多いのではないか。9;00少し回ったぐらいでロープウェーの終点に着いた。ここから歩いて2時間~3時間でヘルンリヒュッテに着く。今日はそこに泊まるのだから急ぐ必要はない。だが、来年はヒュッテが立替工事に入るためマッターホルン登山はここから頂上までの往復となるので大変だ。
ヒュッテは4時まで内に入れない。12時ごろ着いたので昼食を取り一杯やりながらマッターホルンを見上げ登山者の下山する姿を目で追って時間をつぶした。
8/3 昨夜19:00夕食をとった後ガイドと打ち合わせをした。朝食は4:00なので3:30には起きて用意万端整えて食堂に来ること。シンプルな朝食を済ませて遅くとも5:00前には出発したいことなどを確認した。ここは4:20より前の出発は禁じられているので4:20~40分の間に出る者は特に早い人達だから我々はその後に出ようということになった。結局4:45出発、取り付きの岩壁を経て踏み跡を辿って岩稜のルートを進む。ザレた斜面をトラバース気味に右へ行きクラックを左上しながら左折し後はソルベイ小屋まで大きな岩を両手でつかみながらの急登となる。ソルベイ小屋到着6:45、ガイドが良いタイムだと言ってくれた。が、ここで雲行きが怪しくなり雪が舞いだしてきた。我々のメインガイドは悦子をガイドしているジェジェーだ。彼は問題ないとどんどん先へ行くが、私のガイド(ヒィリップ)は東と北にある黒雲を示して雨が降っている、危ないといい、戻ろうという。私はメインのガイドに聞くようにといい、go up, go up と言い続けた。後ろから来たガイドにも状況を確認したりしていたが、そのガイドのペアーも我々を追い越していったのでヒィリップも渋々登ることに決めたようでやっと歩き出した。この後はしばらくがんりょう帯が続き、太いロープが3本位だったかな?張ってある。
1本目がやや垂直に近い岩壁を他の2本はそれほど急ではないところを上りきり、しばらく行くと雪田となる。ここまで来ればもう頂上は近い。頂上は両側の切れた狭い尾根上で何の印もなかったが、唯一、イタリア側の頂上に十字架みたいな物が見えただけだった9:50。悦子曰く、ジェジェーは慎重な人で頂上に着いたらまず、ピッケルを刺し、自己ビレーをし、座らせてから、ハイどうぞと両手を広げてハグしたという。ヒィリップとはえらい差だ。頂上には15分もいただろうか?皆と握手をして登頂を喜び、記念写真を撮り、周りの景色を撮影し、狭い頂上なので他の方たちに譲るのかと思いきやそのまま下山してしまった。来た道をそのまま帰るのだが、自分ではルートがわからない部分もあった。ソルベイ小屋でやっと行動食を採り5分も休まずにまた歩き出す。結局、上りの人とのすれちがいに時間がかかりロープウェーの最終には間に合わず、ヘルンリ小屋にもう一泊することになってしまった。せわしない登山で写真も多くは撮れなかったが2人そろって登頂で来たことは本当によかったと思う。
天候に恵まれ、良いガイドに恵まれ目標のアルプス2座を登頂できこんなに幸せな気分はありませんでした。色々な方から直接、間接にアドバイスや情報を頂き一番問題視していた高所順応がうまく出来たことが今回登れた最大の要因だったと思いますし私たちのこれからの登山にいかせると思いうれしくおもっています。マッターホルンは私たちにとっては2度目のチャレンジでした。前回は技術は良いが体力が、とテスト山行(ポリックス)で言われました。その反省を踏まえて高所トレと体力作りを目的に毎週末山に登りました。タバコも1ケ月間でも効くからと先輩にいわれ6月後半から断ち万全を期してのぞんだつもりでしたが、シャモニーに着くと持病の痛風がでて心配し(ビールの飲みすぎ)、食事が合わずに胃腸の調子が悪くなるなどきりなくマイナス要因が出てきました。そんな時ガイドのジェジェーが作ってくれた休養をうまく取り入れたプランのお陰でずいぶん助かりました。彼には登山中のペース配分等にも気を使っていただき本当に感謝です。
マッターホルンは良く整備されていて天気さえ良ければ技術的にはそんなに難しいとは思いませんでした。もちろんウィンバーの時代でしたら長いロープや豚の尻尾、トラバースのワイヤー等なかったのですから異次元の話ですが。私たちがソルベイの先ですれちがった日本人の単独登山者に話しかけたところ、昨日下山し切れなくてビバークしたとのことでした。どの辺りでとまでは聞けませんでしたが避難小屋より上だと風にでも吹かれたら大変だろうと思いました。ちょうど単独峰で条件が富士山に似ている感じです。来年だったらロープウェー駅から登らなければならなかったことを考えても今年行けたのは好運以外には考えられません。
マッターホルン頂上
もう雪田も間近の岩場
とても魅力的な記事でした。
返信削除また遊びに来ます!!