【期間】 2023年02月18日(土)
【形態】 アイスクライミング
【山域】 栃木日光・奥鬼怒
【ルート】 上タケ沢・ホワイトスペシャル
【メンバー】 鶴岡、平石(記)
以前から気になっていた上タケ沢へ日帰りで行ってきました。お初です。
気温が高くなる予報でしたが、午前中は気温が低く状態は安定していました。
ただ午後は陽が差し暖かくなり、左俣で雪崩が発生して一番下の滝に直撃していました。
充実した1日でした。
前夜に道の駅・湯西川で車中泊。
朝6時過ぎに駐車場到着し6時半過ぎに出発。
ここから長靴を履いていきます。鶴岡さんはビニール袋に沢靴。
20分ちょっとで鬼怒川への下降点、辺りは雪景色でイマイチ対岸が良くわからない。
結局、野門沢より上流の浅瀬で徒渉してしまい、うろうろしながら深沢の出合いまで。
長靴&沢靴はデポ。
高巻、後ろは鬼怒川 |
ゴルジュの高巻きは雪がベッタリついているのでアイゼンを着けて登る。
案の定斜面は凍結していてチェーンスパイクだと気を遣っていた。
高巻が終わると樹林帯をトラバースしたり
沢床に降りてまたちょっと高巻きがあったりして、
昨夏は沢登りしていないのでなんだか楽しい。
下タケ沢との二俣からは河原歩きっぽい感じになり、
雪景色の戸台上流の河原歩きを思い出す。
プチラッセルがあったりして、そろそろ飽きてくるころ氷が見え始め
ホワイトスペシャルとご対面。
ここを登ろうと決めてきたので、さっそく準備する。
大きいのはだいぶ久しぶりなので
余裕をもった数のスクリューをぶら下げてクライムオン。
イントロは3時間のアプローチで疲れていた脚がなんとか頑張ってくれて、
2段目からは上部を観察してみるとまぁまぁクラゲ状?
行ってみると手も足も欲しいところにありました。
フォローが上がってくるまで、
寒いと思いきや日当たり良好のビレイ点だったので
寒い思いもせずフォローの待ち時間も苦になりませんでした。
ホワイトスペシャル |
さて、懸垂で降りると、沢床もすでに暖かい。
少し休憩して暗黒狭へ見学に行く。一応ロープを持ち。
F1はほぼ埋まり、F2もちょっとだけで暗黒狭へ到着
氷の神殿といった感ありでしばらく見入ってしまう、
久しぶりにアイスクライミングをやっていて良かったと思えた瞬間でした。
WILL |
見学を終え、来年の目標を各自見定めてF2を降りようとしたころ
左俣で雪崩が発生し、一番下の大滝に直撃してました。
この滝に雪崩が直撃 |
人がいなくて良かったぁと思った次第です。
この日は我々のみで貸し切りでしたのでその心配はなく、
人がいないのはもしや近頃問題のアクセス系の件がないか調べてしまいました。。
帰りは明るいうちに駐車場へ戻ることができ、偵察山行は完了。
久しぶりに自分がやりたかったグレードと大きさのアイスクライミングを堪能でき
非常に充実した楽しい1日でした。
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(以下、鶴岡)
今回、最初は荒川出合を考えていたが、日曜は気温が高く雨になりそうな予報だったため、土曜日帰りでお初の上タケ沢に行くことに
金曜の夜に都内を出発し、道の駅湯西川で車中泊。
意外と寒く、翌朝は二人とも5時の目覚まし直前に自然と目が覚めてしまった。
朝食を済ませ、車を走らせること約30分、そば処瀬戸合峡の駐車場に到着。周辺は雪が積もっているところもあったが、道路はしっかり除雪されていて快適だった。今年はやっぱり雪が少ない?
ロクスノにあったルール通りに自販機で飲み物を購入。平石さんはゴム長靴、長靴を持っていない私はビニール袋の上に沢靴を履いて6時半過ぎに出発。
道路を歩いて約20分、目印の野門橋手前カーブミラー付近で鬼怒川に降る。渡渉しやすそうなところを探しているうちに、結構上流を渡ったため、鬼怒川沿いを少し戻る形になる。下降点から深沢にまっすぐ渡渉するのが正解。
野門沢を高巻きしているトレースも見られ、少しうろうろしながらも深沢出合に到着。後から調べると野門沢の布引の滝も登れるようで、恐らく最初に見たトレースはこちらへ向かうものだったのだろう。
出合で長靴と沢靴をデポして、深沢左岸を高巻き。チェーンアイゼンを持って行くのを忘れ、平爪と両方持ってきていた平石さんにチェーンアイゼンを借りて登る。なかなか急で凍っていたりして、ところどころ気を遣った。次回は平爪のアイゼンを持って行こう。
登り切った後は、樹林帯をトラバースしてから深沢まで下る。駐車場から上タケ沢と下タケ沢の分岐まで約2時間。その後の河原歩きも最初は楽しめていたが、雪を踏み抜く箇所もあり、まだ完治していない膝にはいやらしく、途中から長く感じ始めた。『まだかな~』と思い始めてから少し、ようやく景色が氷らしくなってきて、最初にホワイトスペシャルが現れた。分岐から1時間弱といったところだろうか。
準備をしている間も平石さんがうずうずしているのが分かる。最近は我々のレベルに合わせて小さいのが多かったから物足りず、大きいのを登りたかったと思う。申し訳ない。
ホワイトスペシャルは、平石さんがリードで私がフォロー。
平石さんは流石に安定した登り。私はビレイしながら、あの最後のところ登れるかなと自分の心配。
私の番になり、途中までは順調だったが、やっぱり最後の10メートルを切って氷が一番立ったところから苦戦。多少クラゲだったり、目の前の40センチ以上の塊が剥がれて抱える形になったりといったことはあったが、ムーブどうこうということではなく、いつもの持久力の問題。下部をいかに省エネで登るかが課題だと改めて感じる。ちょうど正午くらいだったが、この頃になると上部は日の光を受け、氷も解け始めているのが分かる。
テンションをかけながら何とか登り、懸垂で降りて休憩。納得はしていないものの、楽しかった。
休憩後は、念のため首からロープを掛けて更に奥の暗黒峡へ見学に
フリーでF2を登った先には、氷柱の世界。奇麗だなぁと見上げると同時に、これが落ちたら逃げ場がないなと少し怖さも感じる。
そして、その一番奥、そこには氷の神殿というにふさわしい光景が広がっていた。圧巻で、来て良かったと思えた瞬間。この日は貸し切りで、他に誰も人がいなかったこともあり、厳かな気持ちにすらなった。クライマーがたくさん取りついていたら、違う印象を受けたに違いない。唯一残念だったは、この日は二人だったため、ビレイしながら写真を撮ることができないことや軽量化を考え、カメラを置いてきていたこと。
少し取りついてみると、左端は、意外と素直な登りやすそうなラインだった。
次回の目標としよう。
見学を終え、降ろうとした瞬間、大きな音と共に雪煙が上がる。雪崩だ。
左俣から雪が滑り落ちてきていた。この日最初のドッキリ。やっぱり登るのは午前中が良さそうだ。「怖い怖い、また何か落ちてこないうちにさっさと帰ろう」となった。
荷物をまとめ、来た道を戻る。来た時よりも雪がかなり緩み、プレートの無いチェーンアイゼンは雪が団子になった。時々15センチの厚さでつくものだから、重くなるし逆に滑る。途中プチ雪崩の跡で、往路のトレースが遮られているところもあった。
往路より短く感じたが、最後の高巻きを降るところの最上部は気持ち悪かったので、懸垂で降りた。ここだけは、午後になっても凍ったままのところが数か所。
鬼怒川を渡渉し藪の中に入り、車道へ登る直前、この日二度目のドッキリ。突然足元から雉が飛び立ち、二人してその羽音に驚かされる。重そうな体をなんとか浮かせて飛んで行く。「雉も鳴かずば撃たれまい」とはよく言ったものだ。静かにしていれば、全く気付くことはなかっただろう。
車道に上がり、駐車場へはあまり話もせずに歩く。課題は相変わらずだが、充実した一日を終え、改めて楽しさを噛みしめながら車に戻る時間は良いものだ。
明るいうちに駐車場に着き、最後は川治温泉薬師の湯でさっぱり